DV男・DV旦那の特徴と心理|なぜ暴力を振るうのか?

服部 貞昭
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了
DV男・DV旦那の特徴と心理|なぜ暴力を振るうのか?

DVとは、家庭内暴力(Domestic Violence)の略称です。
この呼び名はもちろん、意味や定義も世間的にかなり定着しています。

しかし、「DVは許されないこと」という風潮が広まっているにも関わらず、DVをする男性(夫・旦那)は常に一定数存在します。
なぜDVは起こるのでしょうか?また、男性はどのような心理で暴力を振るっているのでしょうか?

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DVをする男性(旦那・夫)の特徴

まずは、DV夫に見られる特徴を見ていきましょう。
もちろん、全て当てはまったらDV夫ということではなく、また、当てはまらない項目があってもDV夫であると言えるケースもあります。あくまで一般的な特徴としてお考えください。

外では愛想が良く、優しい旦那を演じる

まず、DV夫には「外では愛想が良く、周囲からの評判は良い」という特徴があります。
妻に対してのみ暴力的で、職場や近所の住人、親族などのコミュニティでは「良い夫」として振る舞うのです。

そのため、周囲の人からは「良い夫」「優しい夫」だと高評価を受けていることが多く、妻がDV被害を訴えてもなかなか信じてもらうことができません。

このような傾向がある理由は、DV夫が世間体を気にしているからです。
中では、「良い夫」を演じるために気を遣いストレスが溜まった結果、そのストレスをDVという形で爆発させてしまうというケースもあります。

人によって態度を変える

DV夫は、上司など社会的立場が自分よりも上の人には礼儀良く接し、媚びることもあります(しかし、相手の前では頭を下げていても、相手がいなくなると急に悪口を言ったり偉そうになったりすることが多いです)。
一方で、部下など自分より目下の人には態度が大きく、やはり偉そうな態度を取ることが多いです。

このような男性は、「相手より上の立場であることを他人に示したい」と考えていることが多いです。
そして、家庭内においても女性である妻を下に見ている傾向が強く、「妻は自分を肯定して従うもの」だと認識している可能性が高いで焦。そのため、自分に逆らえない妻に対してDVを働きやすいのです。

なお、婚前で付き合っている場合にはこのような傾向が見られることは少なく、結婚して女性を自分の所有物だと認識してからDVを行動に移す人が多いと言われています。

感情の起伏が激しい

DV夫は感情の起伏が激しいという特徴もあります。
些細な出来事でも異常なほど怒ったり怒鳴ったりする一方で、怒りが冷めると急に優しくなります。

「DVをする男は、暴力を振るった(暴言を吐いた)後はすぐに優しくなる傾向にある」ということを聞いたことがある方も多いでしょう。

このような男性は、精神的に幼く感情をコントロールすることが不得意と言えます。
妻の側も、涙ながらに謝る夫を見て情に流されて許してしまい、同じ被害を受け続けるという負のループに陥ってしまう傾向が強いです。

暴力を振るう夫の心理

DVは、殴る・蹴るなどの直接的な暴力だけではありません。
以下のような暴力は全てDVに当てはまると言えます。

  • 身体的暴力
    物を投げつける(投げるそぶりを見せる)、殴る、蹴る、腕を掴んで捻る、突き飛ばす、首を絞める、引き摺り回すなどの行動が挙げられます。身体的暴力の場合には、被害者の身体に傷や痣が残るため、比較的被害を発見しやすい傾向にあります。
  • 精神的暴力(心理的虐待)・経済的暴力
    大声で怒鳴る、無視をして口をきかない、人前でバカにする、お金を渡さないなどが挙げられます。倫理観を振りかざして相手を侮辱する場合は「モラハラ」とも呼ばれます。
  • 性的暴力
    「性」に関連する嫌がらせです。性行為の強要、避妊に協力しない、中絶の強要、見たくないのにポルノビデオを見せるなどが挙げられます。また、子供が授からないことを妻のせいにする、浮気をしていた当事者が自分の浮気を許すように強要することも該当します。

このような暴力を振るう夫の心理にはどのようなものがあるのでしょうか。

なお、DVの種類や女性がDVから逃げられない心理などは、以下のコラムで解説しています。

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独占欲が強く、妻を束縛したいと思っている

DV夫が妻に暴行を働くをする理由の一つは、独占欲が強く妻を束縛したいと考えているからかもしれません。
束縛がエスカレートするあまり、常に相手の行動を監視しないと気が済まなくなります。外出するたびに行き先や帰宅時間の報告を義務付けたり、他の男性の連絡先を全て削除させたりするといった行動があります。

このような男性は、「いつか自分が捨てられてしまうのではないか」と不安を抱えている場合が多いです。
そのため、妻が自分の意に反する行動をすると、必要以上に不安になり暴力を振るうのです。

家族を不安やストレスの捌け口にしている

以前のコロナ禍により、家庭内暴力は急増したと言われています。

普段であれば、会食や飲み会、レジャーなどを通してストレスを発散することができたものが、大人数での会食や飲み会は憚られる状況が長く続き、行き場を無くしたストレスの捌け口が家庭内の弱者に向けられてしまったのです。

また、今まではあまり顔を合わせないからこそ上手くいっていた夫婦が、在宅の推奨により顔を合わせる時間が長くなったことによりストレスが溜まり、その結果DVに発展してしまったというケースもあります。

更に、旦那が仕事に出ている時間はDVから逃げられていたような場合には、コロナ禍に在宅勤務になったことによりDVを避けることができなくなり被害が深刻化してしまいます。

コロナ無くしても、現代社会では日々の生活に大きな不安を抱えている人も少なくありません。収入の不安定や将来への不安は、夫婦の不満を募らせる原因となります。
その結果として口論が耐えなくなり、最終的にDVに発展してしまうのです。

DVから逃げる・暴力を回避する方法

DVは生命の危険にもつながる行為です。「自分が悪い」と思い我慢を続けることは、より事態を悪化させてしまいます。

一方で、子どもがいる場合や金銭面の不安がある場合には、離婚へと踏み出すのは難しいと思うことでしょう。
そうでなくても、離婚を決断して直接これを切り出すと、更に大きなトラブルに発展する可能性もあります。

まずは、これから説明するDV回避方法を試し、DV被害から少しでも逃げるようにしましょう。
その後、弁護士に相談をして安全に別居・離婚に漕ぎ着けるべきです。

加害者と一緒にいる時間を減らす

DVの加害者は、自分のパートナーや家族を支配・コントロールすることで自己価値を確認しようとする傾向があります。原因は、過去のトラウマや社会的な影響かもしれません。
そんなDVをやめさせることは、すぐには困難なケースがほとんどです。

そこで、まずは一緒にいる時間を減らして、顔を合わせる回数を少なくすることが最初の対処法として考えられます。
可能ならば休日はなるべく出掛けるようにする、一人で買い物に行く、起床時間・就寝時間をずらす、食事をバラバラにとる、自室に戻る時間を早くするなど、物理的にパートナー間の距離を取るように心がけましょう。

とはいえ、一人で遊びに行くことや避けるような行動を取ることにより相手が逆上し、DVが激化してしまう可能性もあるでしょう。
その場合は、相手の感情を逆撫でしないことを優先するべきと言えます。

実家等に避難する

DVが深刻な場合、自宅で暮らすままでは自分や子どもの身の安全・平穏な生活を守ることが困難な時があります。
このような場合は、避難先として「実家」や「親戚の家」を検討することが一つの選択肢です。

一人暮らしあるいは子どもと一緒の生活でも、相手方から婚姻費用・養育費を受け取ることはできます。しかし、これには時間がかかるケースも多いでしょう。
一方、実家や親戚の家ならば、安全を確保できるだけでなく家族の支援を受けることもできます。

なお、一時保護施設(シェルター)を利用することもできますが、シェルターへの避難は一時的なもので、根本的な解決にはなりません。ずっとシェルター内に居るということは難しいでしょう。
よって、DV被害から逃げることを考えるならば、一度保護施設で身を落ち着けながら、本格的に別居や離婚について考えていく必要があります。

一人で悩まずに相談する

DV被害は、一人で悩んでいても解決の糸口が見えてくるものではありません。
行政が運営している相談窓口への相談、実家の両親や友人への相談、離婚を視野に入れた弁護士への相談、警察への通報など、どのような形でも良いので周りの人に相談することが大切です。

旦那が在宅勤務をしているなどの理由で窓口に電話しにくい場合には、SNSやメール等で相談を受け付けているものもあります。

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まとめ|旦那がDV夫なら一日でも早く相談を

身体への直接的な暴力がなくても、DV被害者である可能性があります。「もっと辛い思いをしている人がいる」「暴言だけだから耐えられる」などと思わず、まずは心身の安全を確保することが最優先です。

被害者は、身近な人や専門機関に相談し、まずは避難先を確保することが重要です。また、DVが深刻ならば警察への通報・法的措置を講じることも有効でしょう。
DVがトラウマにならないよう、早い段階で心理的なサポート・カウンセリングを受けることも考えてみてください。

DVやモラハラを理由に離婚を考える場合は、配偶者との話し合いは困難になるケースがほとんどです。
更なるトラブルに発展しないよう、離婚をお考えならばDVやモラハラ問題に対応する弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士は、安全な別居の方法やDVの証拠集めのやり方など、今できる対応方法からアドバイスをしてくれます。離婚の協議や調停についても代理人としてサポートしてくれますので、その後は配偶者と顔を合わせるる必要もなくなります。
また、DVやモラハラに関する慰謝料請求、財産分与の交渉、養育費の取り決めなども行い、被害者の方の離婚後の生活をサポートします。

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離婚に強い弁護士が法的に解決いたします

離婚問題でお困りの方は、離婚に強い弁護士にご相談ください。慰謝料、財産分与、親権など離婚を有利に進めることができる可能性があります。

弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

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